コラム:中小企業のための法務講座『食品安全条例』が施行開始

中小企業のための法務講座『食品安全条例』が施行開始

中小企業のための法務講座『食品安全条例』が施行開始

中小企業のための法務講座

序説

 2012年2月1日から、食品輸入と食品流通を管理するための新しい法律が6ヶ月の移行期間を経て、本格的に施行された。食品安全条例(香港法律第612章)である。この法律によって、食品の輸入・流通・販売までの過程が明確に記録されることとなり、食品事故が起きたときには、商品の流通経路を調査することで事故の原因を特定することが可能となった。

新法による、新たな義務付け

 食品輸入者と食品流通者は必ず香港政府の「食物及環境衛生局長 に登記することが義務付けられた。この登記は3年間有効であり、3年ごとに更新の必要がある。登記をせずにこの法律で制限されている物品を輸入又は流通した者には、最高で5万HK$の罰金又は6ヶ月の懲役が課される。

登記の免除をうける者

 以下の者は、この法律の「食品輸入者」、「食品流通者」には含まれない。

―単に輸送のみをする者
―他の法律により、すでに食品輸入者として登記をしている者
―食品を第3国に輸出するために、一時的に香港に食品を輸入した者(つまり、re-exportだけ)
―トランジットのために香港に来た者(つまり、食品を貨物の中から出すことなくそのまま他国へ行く場合)
―観光者の個人用あるいはお土産用の食品。ただし、生肉や家畜を香港に持ち込む場合には、法律により、それらの安全証明書を提出しなければならない。

法律の定義

 この法律における「食品」には、飲料(飲料用の水も含む)、氷、アイス、ガム、タバコ、調味料や料理に使うものなどが含まれる。一方で、生きている動物・鳥・繁殖用などの魚(食用の水産物は「食品」)、動物・鳥・水産物の餌、水、などは「食品」には含まれない。
 食品輸入ビジネスとは、主なビジネスとしているどうかは関係なくビジネスとして食品を水・陸・空いずれかの手段で香港に輸入することを指し、食品流通ビジネスとは、主なビジネスとして卸売りのかたちで食品を供給することを指す。

よくある質問

 よくある質問についてQ&Aにまとめました。
Q:生きている動物、家畜、水産物の輸入又は流通をする場合、登記が必要ですか?
A:生きている動物と家畜に関してはこの法律の「食品」には含まれないので、登記は必要ありません。しかし、生きている水産物については「食品」にあたるため登記が必要となります。

Q:弊社は様々な食品を輸入又は流通しているのですが、それぞれの食品について別々に登記が必要ですか?
A:いいえ。食品輸入者又は食品流通者として一度登記すれば十分です。ただし、登記した商品の分類を変更する場合には、必ず30日以内に報告する義務があります。

Q:弊社は食品輸入ビジネスと食品流通ビジネスを同時に行っているのですが、両方とも登記する必要がありますか?
A:すでに食品輸入登録済みの方は、食品流通ビジネスの登記をすることなく食品流通ビジネスもすることができます。一方、食品流通ビジネスの登記しかしていない方は、食品輸入ビジネスの登記をしなければ食品輸入ビジネスをすることはできません。これは、政府が流通データよりも輸入データを重視しているためです。食品事故が起きたときに重要なのはその食品がどこからやってきたのかということであり、食料のほとんどを輸入に頼る香港においてそれを探るためには、食品輸入データのほうがより重要となるからです。
 つまり、二つのビジネスを行いたい場合、食品輸入者として登録したほうがいいでしょう。

Q:弊社はおもちゃ会社であるが、飴やビスケットが入ったおもちゃを輸入する場合には食品輸入者として登記が必要ですか?
A:必要です。

Q:弊社はインターネットで食品を輸入・流通しているが、食品輸入者として登記が必要ですか?
A:必要です。

アンディチェン

ANDY CHENG 鄭國有
弁護士 アンディチェン法律事務所代表
米系法律事務所から独立し開業。企業向けの法律相談・契約書作成を得意としている。香港大学法律学科卒業、慶應義塾大学へ留学後、在香港日本国総領事館勤務の経験もありジェトロ相談員も務めていた。日本語堪能
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